潜水艦は,排水量1000t以上を伊号(イ号)潜水艦と名前をつけることになっていました.
伊号潜水艦は,巡潜型と海大型を基本に発展しました. 当初は巡潜型の航空機で敵艦隊の位置を確かめ,魚雷兵装の強力な海大型が攻撃をするという構想でしたが,潜水艦の発達により艦種を分ける必要がなくなり,甲,乙,丙の3つのタイプが建造されるようになりました. アメリカの戦艦に追い付けるだけの速力(21 kt 以上)を出せる様にしたため,騒音の発生が著しく潜水艦本来の秘匿性は犠牲とされました. 太平洋戦争では戦艦を主力とする艦隊決戦は起きることがなく,アメリカの対潜能力の高さから米艦隊への攻撃も失敗し逆に沈められることが多かったようです. 潜水艦の用途としては,通商破壊が最も有効であることからいっても日本海軍の潜水艦に対する認識は間違っていたといえるでしょう.
日本海軍の潜水艦は航空機を積めることが特徴で,これを発展させたのが特型です. また,水中高速力を追求した潜高大型もありました.
なお,甲型以降の潜水艦が建造されることが決まったため,既存の機雷潜型や海大型などは番号が100足された艦名に変更されています.
巡潜型
外洋での長期間にわたる行動を目的に開発された潜水艦. アメリカの西海岸までの往復行動が可能であった.
巡潜I型
伊1,2,3,4,5の5隻がこの型に属する. 伊5はカタパルトを装備しており飛行機を搭載できたので巡潜1型改と呼ばれる.
- 排水量:1970 t(水上),2791 t(水中)
- 速力:18 kt(水上),8 kt(水中)
- 主要兵装:14cm砲2門,53cm魚雷発射菅6門
- 同型艦:5隻
巡潜I型の同型艦
伊号第一潜水艦
1926年3月10日川崎神戸造船所で竣工→1943年1月29日ガダルカナル島付近でニュージーランドの艦艇の攻撃を受け沈没
伊号第二潜水艦
1926年7月24日川崎神戸造船所で竣工→1944年4月7日イサベル水道で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第三潜水艦
1926年11月30日川崎神戸造船所で竣工→1942年12月9日ガダルカナル島付近で米魚雷艇の攻撃を受け沈没
伊号第四潜水艦
1929年12月24日川崎神戸造船所で竣工→1942年12月20日セントジョージ海峡で米潜の攻撃を受け沈没
伊号第五潜水艦
1932年7月31日川崎神戸造船所で竣工→1944年7月19日サイパン東方で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
巡潜II型
巡潜I型の改良型でカタパルトを装備していた. 水上の速力が増したが航続距離は減ってしまった. 伊6の1隻だけが建造された.
- 排水量:1900 t(水上),3061 t(水中)
- 速力:21 kt(水上),7.5 kt(水中)
- 主要兵装:12.7cm高角砲2門,53cm魚雷発射菅6門
- 同型艦:1隻
伊号第六潜水艦
1935年5月15日川崎神戸造船所で竣工→1944年6月28日サイパン付近で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
巡潜III型
巡潜I,II型とは異なり旗艦能力をもった大型潜水艦. 伊7,8の2隻が建造された.
- 排水量:2231 t(水上),3583 t(水中)
- 速力:23 kt(水上),8 kt(水中)
- 主要兵装:14cm砲2門,53cm魚雷発射菅6門
- 同型艦:2隻
巡潜III型の同型艦
伊号第七潜水艦
1937年3月31日呉工廠で竣工→1943年6月22日キスカ沖で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第八潜水艦
1938年12月25日川崎神戸造船所で竣工→1945年3月31日沖縄方面で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
海大型
海大型とは海軍大型潜水艦のこと. 速力と攻撃力に重点が置かれている. 昭和17年5月20日に伊75より番号が若いものは数字を100番台に変更している(例:伊68→伊168).
海大I型
試作的な要素の強い潜水艦,伊51の1隻だけ建造された. 太平洋戦争前に除籍.
- 排水量:1390 t(水上),? t(水中)
- 速力:18.4 kt(水上),? kt(水中)
- 主要兵装:12cm砲1門,53cm魚雷発射菅8門
- 同型艦:1隻
伊号第五一潜水艦 (第四四潜水艦)
1924年6月20日第四四潜水艦として竣工→1924年11月1日伊号第51潜水艦と改名→1941年4月除籍
大正時代に潜水艦という艦種が作られたときは通し番号で艦名が付けられていた.
海大II型
水上速力が 20 kt 以上の世界で初めての潜水艦. まだ試作艦の域を出ず,建造は伊52の1隻のみ.
- 排水量:1320 t(水上),2500 t(水中)
- 速力:20 kt(水上),8 kt(水中)
- 主要兵装:12cm砲1門,53cm魚雷発射菅8門
- 同型艦:1隻
伊号第五二潜水艦 (伊号第一五二潜水艦)
1925年5月20日呉工廠で竣工→1942年5月20日伊号第一五二潜水艦と改名→1942年8月1日除籍→1946年解体
海大III型
海大型初の量産型. 伊53-60,63の9隻が建造された. 前期型4隻と後期型5隻に別れるのでIII型a,III型bと区分される.
- 排水量:1635 t(水上),2300 t(水中)
- 速力:20 kt(水上),8 kt(水中)
- 主要兵装:12cm砲1門,53cm魚雷発射菅8門
- 同型艦:9隻
海大III型の同型艦
海大III型a
伊号第五三潜水艦 (伊号第一五三潜水艦)
1927年3月30日呉工廠で竣工→1942年5月20日伊号第一五三潜水艦と改名→1948年解体
伊号第五四潜水艦 (伊号第一五四潜水艦)
1927年12月15日佐世保工廠で竣工→1942年5月20日伊号第一五四潜水艦と改名→1946年5月伊予灘で米軍により海没処分
伊号第五五潜水艦 (伊号第一五五潜水艦)
1927年9月5日呉工廠で竣工→1942年5月20日伊号第一五五潜水艦と改名→1946年5月伊予灘で米軍により海没処分
伊号第五八潜水艦 (伊号第一五八潜水艦)
1929年5月15日横須賀工廠で竣工→1942年5月20日伊号第一五八潜水艦と改名→1946年4月1日五島列島沖で米軍により海没処分
海大III型b
伊号第五六潜水艦 (伊号第一五六潜水艦)
1929年3月31日呉工廠で竣工→1942年5月20日伊号第一五六潜水艦と改名→1946年4月1日五島列島沖で米軍により海没処分
伊号第五七潜水艦 (伊号第一五七潜水艦)
1929年12月24日呉工廠で竣工→1942年5月20日伊号第一五七潜水艦と改名→1946年4月1日五島列島沖で米軍により海没処分
伊号第五九潜水艦 (伊号第一五九潜水艦)
1930年3月31日横須賀工廠で竣工→1942年5月20日伊号第一五九潜水艦と改名→1946年4月1日五島列島沖で米軍により海没処分
伊号第六〇潜水艦
1929年12月24日佐世保工廠で竣工→1942年1月17日スンダ海峡で英駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第六三潜水艦
1928年12月20日佐世保工廠で竣工→1939年2月2日豊後水道で訓練中に伊60潜と衝突し沈没
海大IV型
海大III型の改良型. 伊61,62,64の3隻が建造された.
- 排水量:1635 t(水上),2300 t(水中)
- 速力:20 kt(水上),8.5 kt(水中)
- 主要兵装:12m砲1門,53cm魚雷発射菅6門
- 同型艦:3隻
海大IV型の同型艦
伊号第六一潜水艦
1929年4月6日三菱神戸造船所で竣工→1941年10月2日玄海灘で訓練中に特務砲艦・木曽丸と衝突し沈没
伊号第六二潜水艦 (伊号第一六二潜水艦)
1930年4月24日三菱神戸造船所で竣工→1942年5月20日伊号第一六二潜水艦と改名→1946年4月1日五島列島沖で米軍により海没処分
伊号第六四潜水艦 (伊号第一六四潜水艦)
1930年8月30日呉工廠で竣工→1942年5月17日足摺岬沖で米潜の攻撃を受け沈没→1942年5月20日伊号第一六四潜水艦と改名(沈没認定は1942年5月25日のため)
海大V型
魚雷発射管が改良され隠密性が増した. 建造されたのは伊65-67の3隻.
- 排水量:1575 t(水上),2330 t(水中)
- 速力:21 kt(水上),8 kt(水中)
- 主要兵装:10cm高角砲1門,53cm魚雷発射菅6門
- 同型艦:3隻
海大V型の同型艦
伊号第六五潜水艦 (伊号第一六五潜水艦)
1932年12月1日呉工廠で竣工→1942年5月20日伊号第一六五潜水艦と改名→1945年6月27日サイパン島沖で米軍機の攻撃を受け沈没
伊号第六六潜水艦 (伊号第一六六潜水艦)
1932年11月10日佐世保工廠で竣工→1942年5月20日伊号第一六六潜水艦と改名→1944年7月17日マラッカ海峡で英潜の攻撃を受け沈没
伊号第六七潜水艦
1932年8月8日三菱神戸造船所で竣工→1940年8月29日南鳥島沖で訓練中に沈没
海大VI型
ロンドン条約のもとで建造された条約型の潜水艦. 伊68-75の8隻が建造された. 前期型6隻と後期型2隻(排水量:1420 t(水上),2564 t(水中),兵装:12cm砲1門)に別れるのでVI型a,VI型bに区分される.
- 排水量:1400 t(水上),2440 t(水中)
- 速力:23 kt(水上),8 kt(水中)
- 主要兵装:10cm高角砲1門,53cm魚雷発射菅6門
- 同型艦:8隻
海大VI型の同型艦
海大VI型a
伊号第六八潜水艦 (伊号第一六八潜水艦)
1934年7月31呉工廠で竣工→1942年5月20日伊号第一六八潜水艦と改名→1943年7月27日アドミラルティ諸島沖で米潜の攻撃を受け沈没
伊号第六九潜水艦 (伊号第一六九潜水艦)
1935年9月28日三菱神戸造船所で竣工→1942年5月20日伊号第一六九潜水艦と改名→1944年4月4日トラック島で事故沈没
伊号第七〇潜水艦
1935年11月9日佐世保工廠で竣工→1941年12月10日ハワイ諸島で米艦上機の攻撃を受け沈没
伊号第七一潜水艦 (伊号第一七一潜水艦)
1935年12月24日川崎神戸造船所で竣工→1942年5月20日伊号第一七一潜水艦と改名→1944年2月1日ブカ島付近で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第七二潜水艦 (伊号第一七二潜水艦)
1932年7月31日三菱神戸造船所で竣工→1942年5月20日伊号第一七二潜水艦と改名→1942年11月10日サンクリストバル島付近で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第七三潜水艦
1937年1月7日川崎神戸造船所で竣工→1942年1月29日ハワイ島沖で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
海大VI型b
伊号第七四潜水艦 (伊号第一七四潜水艦)
1938年8月15日佐世保工廠で竣工→1942年5月20日伊号第一七四潜水艦と改名→1944年4月3日トラック島南方で消息不明
伊号第七五潜水艦 (伊号第一七五潜水艦)
1938年12月18日三菱神戸造船所で竣工→1942年5月20日伊号第一七五潜水艦と改名→1944年2月17日ウォッゼ東方で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
海大VII型
太平洋戦争中に建造された. 海大VI型bの改良型でもっとも実用性が高かった. 伊76,177-185の10隻が建造された.
- 排水量:1630 t(水上),2602 t(水中)
- 速力:23 kt(水上),8 kt(水中)
- 主要兵装:12cm砲1門,53cm魚雷発射菅6門
- 同型艦:10隻
海大VII型の同型艦
伊号第一七六潜水艦
1942年8月4日呉工廠で竣工→1944年5月16日ブカ島付近で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第一七七潜水艦
1942年12月28日川崎神戸造船所で竣工→1944年10月3日パラオ諸島北西で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第一七八潜水艦
1942年12月26日三菱神戸造船所で竣工→1943年6月4日ソロモン方面で消息不明
伊号第一七九潜水艦
1943年6月18日川崎神戸造船所で竣工→1943年7月14日伊予灘で訓練中に事故沈没
伊号第一八〇潜水艦
1943年1月15日横須賀工廠で竣工→1944年4月27日コジャック島沖で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第一八一潜水艦
1943年5月24日呉工廠竣工→1944年1月16日ニューギニア沖で米艦艇の攻撃を受け沈没
伊号第一八二潜水艦
1943年5月10日横須賀工廠で竣工→1943年9月3日エスピリットサント島沖で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第一八三潜水艦
1943年10月3日川崎神戸造船所で竣工→1944年4月28日足摺岬沖で米潜の攻撃を受け沈没
伊号第一八四潜水艦
1942年10月15日横須賀工廠で竣工→1944年6月19日サイパン沖で米艦上機の攻撃を受け沈没
伊号第一八五潜水艦
1943年9月23日横須賀工廠で竣工→1944年6月22日サイパン付近で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
甲型
巡潜III型の発展型で旗艦設備と航空機を搭載していた. 建造されたのは伊9-11の3隻.
- 排水量:2434 t(水上),4150 t(水中)
- 速力:23 kt(水上),8 kt(水中)
- 主要兵装:14cm砲1門,53cm魚雷発射菅6門
- 同型艦:3隻
甲型の同型艦
伊号第九潜水艦
1941年2月13日呉工廠で竣工→1943年6月13日アムチトカ島沖で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第一〇潜水艦
1941年10月31日川崎神戸造船所で竣工→1944年7月4日サイパン付近で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第一一潜水艦
1942年5月16日川崎神戸造船所で竣工→1944年1月11日エリス・サモア諸島付近で消息不明
甲型改I
製造の容易な機関に換装したもの. 建造されたのは伊12の1隻のみ.
- 速力:18 kt(水上),6 kt(水中)
- 同型艦:1隻
伊号第一二潜水艦
1944年5月25日川崎神戸造船所で竣工→1945年1月15日中部太平洋で消息不明
甲型改II
特型の不足を補うために急遽改良され晴嵐2機を搭載した. 建造されたのは伊13,14の2隻.
- 排水量:2620 t(水上),4762 t(水中)
- 速力:16 kt(水上),5 kt(水中)
- 同型艦:2隻
甲型改IIの同型艦
伊号第一三潜水艦
1944年12月16日川崎神戸造船所で竣工→1945年7月16日日本東方水域で米艦上機と米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第一四潜水艦
1945年3月14日川崎神戸造船所で竣工→1946年5月28日ハワイ沖で米軍により海没処分
乙型
甲型の旗艦設備を省いた潜水艦. 巡潜型の発展型で航空機を搭載していた. 伊15,17,19,21,23,25-39の20隻が建造された.
- 排水量:2198 t(水上),3654 t(水中)
- 速力:23 kt(水上),8 kt(水中)
- 主要兵装:14cm砲1門,53cm魚雷発射菅6門
- 同型艦:20隻
乙型の同型艦
伊号第一五潜水艦
1940年9月30日呉工廠で竣工→1942年11月2日サンクリストバル付近で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第一七潜水艦
1941年1月24日横須賀工廠で竣工→1943年8月19日ヌーメア沖で米軍機とニュージーランド艦艇の攻撃を受け沈没
伊号第一九潜水艦
1941年4月28日三菱神戸造船所で竣工→1943年11月19日ギルバート諸島で消息不明
伊号第二一潜水艦
1941年7月15日川崎神戸造船所で竣工→1943年11月29日ギルバート諸島で米艦上機の攻撃を受け沈没
伊号第二三潜水艦
1941年9月27日横須賀工廠で竣工→1942年2月24日ハワイ方面で消息不明
伊号第二五潜水艦
1941年10月15日三菱神戸造船所で竣工→1943年9月3日ニューヘブリデス諸島で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第二六潜水艦
1941年11月6日呉工廠で竣工→1944年10月25日スリガオ海峡で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第二七潜水艦
1942年2月24佐世保工廠で竣工→1944年2月13日モルジブ諸島で英駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第二八潜水艦
1942年2月6日三菱神戸造船所で竣工→1942年5月27日カロリン諸島で米潜の攻撃を受け沈没
伊号第二九潜水艦
1942年2月27日横須賀工廠で竣工→1944年7月26日バシー海峡で米潜の攻撃を受け沈没
伊号第三〇潜水艦
1942年2月28日呉工廠で竣工→1942年10月31日ドイツ訪問の帰途シンガポールで触雷沈没
伊号第三一潜水艦
1942年5月30日横須賀工廠で竣工→1943年5月13日アッツ島沖で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第三二潜水艦
1942年4月26日佐世保工廠で竣工→1944年3月24日マーシャル諸島で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第三三潜水艦
1942年6月10日三菱神戸造船所で竣工→1944年6月13日伊予灘で訓練中沈没
伊号第三四潜水艦
1942年8月31日佐世保工廠で竣工→1943年11月13日ドイツ訪問の途中ペナン島沖で英潜の攻撃を受け沈没
伊号第三五潜水艦
1942年8月31日三菱神戸造船所で竣工→1943年11月22日ギルバート諸島で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第三六潜水艦
1942年9月30日横須賀工廠で竣工→1946年4月1日五島列島沖で米軍により海没処分
伊号第三七潜水艦
1943年3月10日呉工廠で竣工→1944年11月19日パラオ諸島で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第三八潜水艦
1943年1月31日佐世保工廠で竣工→1944年11月12日ヤップ島沖で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第三九潜水艦
1943年4月22日佐世保工廠で竣工→1943年11月26日ギルバート諸島で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
乙型改I
乙型の機関などを変えたもの. 伊40-45の6隻が建造された.
- 排水量:2230 t(水上),3700 t(水中)
- 同型艦:6隻
乙型改Iの同型艦
伊号第四〇潜水艦
1943年7月31日呉工廠で竣工→1943年11月26日ギルバート諸島で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第四一潜水艦
1943年9月18日呉工廠で竣工→1944年11月18日レイテ湾東方で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第四二潜水艦
1943年11月3日呉工廠で竣工→1944年3月23日パラオ諸島南西で米潜の攻撃を受け沈没
伊号第四三潜水艦
1943年11月5日佐世保工廠で竣工→1944年2月15日トラック島北方で米潜の攻撃を受け沈没
伊号第四四潜水艦
1944年1月31日横須賀工廠で竣工→1945年4月17日沖縄東方で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第四五潜水艦
1943年12月28日佐世保工廠で竣工→1944年10月28日レイテ湾東方で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
乙型改II
乙型の簡易建造型. 伊54,56,58の3隻が建造された.
- 排水量:2140 t(水上),3688 t(水中)
- 速力:17 kt(水上),6 kt(水中)
- 主要兵装:14cm砲1門,53cm魚雷発射菅6門
- 同型艦:3隻
乙型改IIの同型艦
伊号第五四潜水艦
1944年3月31日横須賀工廠で竣工→1944年10月28日レイテ湾東方で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第五六潜水艦
1944年6月8日横須賀工廠で竣工→1945年4月5日沖縄西方で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第五八潜水艦
1944年9月7日横須賀工廠で竣工→1946年4月1日五島列島沖で米軍により海没処分
丙型
海大型の発展型で魚雷兵装を強化してあった. 航空機はもっていない. 伊16,18,20,22,24,46,47,48の8隻が建造された. 甲標的や回天の母艦として使われることもあった.
- 排水量:2184 t(水上),3561 t(水中)
- 速力:23 kt(水上),8 kt(水中)
- 主要兵装:14cm砲1門,53cm魚雷発射菅8門
- 同型艦:8隻
丙型の同型艦
伊号第一六潜水艦
1940年3月30日呉工廠で竣工→1944年5月19日ソロモン諸島北方で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第一八潜水艦
1941年1月31日佐世保工廠で竣工→1943年2月11日ソロモン諸島東方で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第二〇潜水艦
1940年9月26日三菱神戸造船所で竣工→1943年9月3日ニューヘブリデス諸島で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第二二潜水艦
1941年3月10日川崎神戸造船所で竣工→1942年10月4日ソロモン諸島東方で消息不明
伊号第二四潜水艦
1941年10月31日佐世保工廠で竣工→1943年6月10日セミチ島付近で米駆潜艇の攻撃を受け沈没
伊号第四六潜水艦
1944年2月29日佐世保工廠で竣工→1944年10月28日レイテ湾東方で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第四七潜水艦
1944年7月10日佐世保工廠で竣工→1946年4月1日五島列島沖で米軍により海没処分
伊号第四八潜水艦
1944年9月5日佐世保工廠で竣工→1945年1月23日ウルシー付近で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
丙型改
乙型の船体を利用して建造されたもの. 伊52,53,55の3隻が建造された.
- 排水量:2095 t(水上),2644 t(水中)
- 速力:17 kt(水上),6 kt(水中)
- 主要兵装:14cm砲2門,53cm魚雷発射菅6門
- 同型艦:3隻
丙型改の同型艦
伊号第五二潜水艦
1943年12月28日呉工廠で竣工→1944年6月24日ドイツ訪問の途中ビスケー湾で米艦上機の攻撃を受け沈没
伊号第五三潜水艦
1944年2月20日呉工廠で竣工→1946年4月1日五島列島沖で米軍により海没処分
伊号第五五潜水艦
1944年4月20呉工廠で竣工→1944年7月14日テニアン島付近で消息不明
特型
晴嵐3機を搭載しパナマ運河攻撃を目指した潜水空母ともいわれる大型潜水艦. 18隻が計画され完成したのは伊400,401,402の3隻のみ. ウルシー泊地攻撃の途中で終戦.
- 排水量:3530 t(水上),6560 t(水中)
- 速力:18 kt(水上),6 kt(水中)
- 主要兵装:14cm砲1門,53cm魚雷発射菅8門
- 同型艦:3隻
特型の同型艦
伊号第四〇〇潜水艦
1944年12月30日呉工廠で竣工→1946年6月4日調査の上ハワイで米軍により海没処分
伊号第四〇一潜水艦
1945年1月8日佐世保工廠で竣工→1946年5月31日調査の上ハワイで米軍により海没処分
伊号第四〇二潜水艦
1945年7月24日佐世保工廠で竣工→1946年4月1日五島列島沖で米軍により海没処分
当初,計画されたのは18隻.
潜高大型
潜水艦の水中行動能力が低いことで被害が急増したことを反省し,水中で高速を出せることを目標に設計された潜水艦. 計画されたのは23隻であったが,起工されたのは8隻で完成したのは伊201,202,203の3隻であった. 実戦には参加していない.
- 排水量:1070 t(水上),1450 t(水中)
- 速力:15 kt(水上),19 kt(水中)
- 主要兵装:53cm魚雷発射菅4門
- 同型艦:3隻
潜高大型の同型艦
伊号第二〇一潜水艦
1945年2月2日呉工廠で竣工→1946年米国に回航の上調査後海没処分
伊号第二〇二潜水艦
1945年2月14日呉工廠で竣工→1946年4月5日向後岬西方で米軍により海没処分
伊号第二〇三潜水艦
1945年5月29日呉工廠で竣工→1946年米国に回航の上調査後海没処分
他に未完成艦が5隻. 計画は23隻.
機雷潜型
機雷敷設用潜水艦. 太平洋戦争時には旧式化していた. 伊21-24の4隻が建造された. 後に艦番号は100番台に変更されている.
- 排水量:1142 t(水上),1768 t(水中)
- 速力:15 kt(水上),6 kt(水中)
- 主要兵装:14cm砲1門,53cm魚雷発射菅4門,機雷42個
- 同型艦:4隻
機雷潜型の同型艦
伊号第二一潜水艦 (伊号第一二一潜水艦)
1927年3月31日川崎神戸造船所で竣工→1938年6月1日伊号第一二一潜水艦に改名→1946年4月30日舞鶴港外で海没処分
伊号第二二潜水艦 (伊号第一二二潜水艦)
1927年10月28日川崎神戸造船所で竣工→1938年6月1日伊号第一二二潜水艦に改名→1944年6月10日能登半島沖で米潜の攻撃を受け沈没
伊号第二三潜水艦 (伊号第一二三潜水艦)
1928年4月28日川崎神戸造船所で竣工→1938年6月1日伊号第一二三潜水艦に改名→1942年8月29日ガダルカナル島付近で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第二四潜水艦 (伊号第一二四潜水艦)
1928年12月10日川崎神戸造船所で竣工→1938年6月1日伊号第一二四潜水艦に改名→1942年1月20日ポートダーウィン沖で米駆逐艦と豪艦艇の攻撃を受け沈没
潜輸大型 (丁型)
当初は奇襲上陸を行う目的で建造されたが,ガダルカナルでの戦訓を取り入れ物資搭載量を増やした輸送用潜水艦. 丁型ともいう. 伊361-373の13隻が建造された. 伊373は丁型改ともいう.
- 排水量:1142 t(水上),1768 t(水中)
- 速力:15 kt(水上),6 kt(水中)
- 主要兵装:14cm砲1門
- 同型艦:13隻
潜輸大型 (丁型)の同型艦
伊号第三六一潜水艦
1944年5月25日呉工廠で竣工→1945年5月30日沖大東島付近で米艦上機の攻撃を受け沈没
伊号第三六二潜水艦
1944年5月23日三菱神戸造船所で竣工→1945年1月18日カロリン諸島で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第三六三潜水艦
1944年7月8日呉工廠で竣工→1945年10月29日日向灘で触雷沈没
伊号第三六四潜水艦
1944年6月14日三菱神戸造船所で竣工→1944年9月15日房総半島沖で米潜の攻撃を受け沈没
伊号第三六五潜水艦
1944年8月1日横須賀工廠で竣工→1944年11月28日東京湾南方で米潜の攻撃を受け沈没
伊号第三六六潜水艦
1944年8月3日三菱神戸造船所で竣工→1946年4月1日五島列島沖で米軍により海没処分
伊号第三六七潜水艦
1944年8月15日三菱神戸造船所で竣工→1946年4月1日五島列島沖で米軍により海没処分
伊号第三六八潜水艦
1944年8月25日横須賀工廠で竣工→1945年2月27日硫黄島方面で米艦上機の攻撃を受け沈没
伊号第三六九潜水艦
1944年10月9日横須賀工廠で竣工→終戦後米軍に接収され海没処分
伊号第三七〇潜水艦
1944年9月4日三菱神戸造船所で竣工→1945年2月26日硫黄島方面で米駆逐艦の攻撃を受け沈没
伊号第三七一潜水艦
1944年10月2日三菱神戸造船所で竣工→1945年1月31日トラック方面で行方不明
伊号第三七二潜水艦
1944年11月8日横須賀工廠で竣工→1945年7月18日横須賀で米艦上機の攻撃を受け沈没
潜輸大型 (丁型改)の同型艦
伊号第三七三潜水艦
1945年4月14日横須賀工廠で竣工→1945年8月8日東シナ海で米潜の攻撃を受け沈没
潜補型
当初は飛行艇への燃料補給を目的に開発されたが,戦局の推移により計画を変更し離島への燃料補給を目的に建造された. 伊351の1隻のみ完成.
- 排水量:2650 t(水上),4290 t(水中)
- 速力:16 kt(水上),6 kt(水中)
- 主要兵装:8cm迫撃砲4門,53cm魚雷発射管4門
- 同型艦:1隻
伊号第三五一潜水艦
1945年1月28日呉工廠で竣工→1945年7月14日ボルネオ沖で米潜の攻撃を受け沈没
戦利潜水艦
伊501から伊506までの潜水艦. ドイツ海軍のUボートなどを接収したもの.
伊501型
独潜IXD2型をシンガポールでドイツ海軍から接収.
伊号第五〇一潜水艦
1942年5月9日独潜U181として竣工→1945年5月日本海軍が接収し,7月15日伊号五〇一潜水艦と命名→1946年2月12日シンガポールで英海軍により海没処分
伊号第五〇二潜水艦
1943年10月7日独潜U862として竣工→1945年5月日本海軍が接収し,7月15日伊号五〇二潜水艦と命名→1946年2月12日シンガポールで英海軍により海没処分
伊503型
伊潜マルセロ型をシンガポールでドイツ海軍から接収.
伊号第五〇三潜水艦
1939年9月23日伊潜コマンダンテ・カッペリーニとして竣工→1943年9月10日独海軍により接収されUIT24と改名→1945年5月日本海軍が接収し,7月15日伊号五〇三潜水艦と命名→1946年4月16日紀伊水道で米軍により海没処分
伊504型
伊潜マルコニー型をドイツ海軍から接収.
伊号第五〇四潜水艦
1940年5月15日伊潜ルイジ・トレリとして竣工→1943年9月10日独海軍により接収されUIT25と改名→1945年5月日本海軍が接収し,7月15日伊号五〇四潜水艦と命名→1946年4月16日紀伊水道で米軍により海没処分
伊505型
独潜XB型をスラバヤでドイツ海軍から接収.
伊号第五〇五潜水艦
1942年12月12日独潜U219として竣工→1945年5月日本海軍が接収し,7月15日伊号五〇五潜水艦と命名→1947年スラバヤで解体
伊506型
独潜IXD1型をドイツ海軍から接収.
伊号第五〇六潜水艦
1942年12月12日独潜U195として竣工→1945年5月日本海軍が接収し,7月15日伊号五〇六潜水艦と命名→1947年スラバヤで解体